シュガーリングとは?
シュガーリングってどんなもの
食べられる自然素材による脱毛法
シュガーリングとは、お砂糖・レモン・水を煮詰めたシュガーペーストを操り、不要なヘアのみ除去する脱毛です。
シュガーペーストの適切な管理・調整、そしてやり方の条件が揃ってはじめて、表皮は剥がさずに毛だけを除去できる素晴らしい脱毛法になります。
よく「食べられるナチュラル素材を使うから肌に優しい」「子供や妊婦でも受けられる」と言われています。
しかし実は、ナチュラルだから肌に優しいのではなく、痛み・肌への悪影響を抑えて美しく仕上げるためには、シュガーリストの高度な技術が必須であることを、こちらのページでは明確にしていきたいと思います。
SAJ YouTube “シュガーリングはナチュラルだからお肌に優しいってホント?!”
シュガーリングの歴史 - どこで生まれた脱毛法なの
アラビア圏や原住民による伝統的シュガーリング
シュガーリングは古代エジプトが発祥の世界で最も古い歴史を持つ脱毛の一つだと言われています。
アラビア圏では、宗教の考え方により、体毛を不浄なものとして除去する習慣があり、現在までシュガーリング(ハルワ・・・甘いもの、と呼ばれています)が最も身近でポピュラーな脱毛として存在してきました。また、アマゾン原住民族の間でも、蜂蜜にその他の素材を混ぜボール状に丸め脱毛する似たような手法が存在していました。
それら伝統的な手法では、衛生面やクオリティにはあまり配慮されることなく、家庭内で行われるような、ごくありふれた脱毛として長い間親しまれてきました。
より高度なサロンサービスレベルのモダンシュガーリング
一方1990年代のアメリカでは、西海岸で生まれた「LOHAS」により、健康や自然環境に配慮する人たちが現れました。
そこでアラビア圏で長い歴史を持つシュガーリングのナチュラルな魅力が見出され、より衛生面に配慮され、さらに高度な技術へと進化したモダンなシュガーリングへと成長していきました。
SAJ日本シュガーリング協会のシュガーリング技術は?
私たちSAJ(日本シュガーリング協会)が流れを汲んでいるのはモダンなシュガーリングの技法です。
固いシュガーペーストを手でなすりつけてヘアを除去するのみでなく、ワックス脱毛の技法も組み合わせ、痛みの感覚や肌への影響へ最大限に配慮するシュガーリングを行っています。
シュガーリングとワックスの違い
シュガーペーストとワックス脱毛剤
シュガーリングとは、シュガーペーストで脱毛することを意味します。
シュガーリングに使用するのは、シュガー・レモン・水を煮詰めた水溶性のシュガーペーストです。
一方ワックス脱毛は、蝋や松ヤニなどをベースとした油溶性の素材により脱毛する方法です。
ブラジリアンワックスとはどう違うの?
ブラジリアン=ワックスではない
日本でも大変認知度が高まったブラジリアンワックスとは、ワックス脱毛剤によりVIOのヘアを除去することを指しています。
VIOエリアのヘアをシュガーペーストで除去する場合には、ブラジリアンシュガーリングという呼び方になります。
元はと言えば、7人のブラジル人エステティシャンたちがNYにJ sistersというサロンをオープンし、後にタイムズ紙が「Brazilian Wax」に言及した記事を掲載し、ブラジリアンワックスという呼び名とともにVIO脱毛が定着しました。
彼女たちのサロンの顧客リストには、90年代を代表する多くの著名人が名前を列ねていました。
シュガーペーストと、ワックス脱毛剤の違い
それぞれどんな特徴があるの?
シュガーリングに使用するシュガーペーストとワックス脱毛剤はベースとなる成分が異なり、その性質による肌への作用が一番の違いです。
シュガーペーストは、糖の種類や含有する水分量などの条件次第で、サラッとした質感を保ちます。その質感を活かして脱毛するからこそ肌への負担が少ない脱毛が実現するのがシュガーリングです。
一方ワックス脱毛剤は、粘着性が高いタイプや固まるタイプなど、さまざまな種類があります。施術者が適切な脱毛剤を選択し結果を出していくのがワックス脱毛です。
シュガーリングは質感を作り出す脱毛法、ワックス脱毛は質感を選択する脱毛法であると言えます。
シュガーリングはさらに能力に左右される
シュガーリングとワックス脱毛は、どちらも知識と技術が大変重要です。
特にシュガーリングでは、シュガーペーストの特徴を深く理解することは中々容易ではなく、最適な条件下でなければシュガーペーストが溶け出して肌にくっついたり、手の動かし方により肌を捲ったり、引っ張ったりしてしまうリスクがあります。
シュガーリストの知識と経験なくして安全なシュガーリングをご提供することはとても難しい脱毛法であることをしっかりと知っておきましょう。
シュガーリングワックスってなに?
市販のシュガーワックスについて
シュガーリングとワックス脱毛は、どちらも物理的にヘアを除去する手法であるため混同されやすい脱毛法です。
シュガーペーストにはワックス成分(蝋や松ヤニなどの油性成分)は一切含まれていないため、厳密に言うと「シュガーリングワックス」や「シュガーワックス」という呼び名は正確ではありません。
市販で流通しているシュガーワックスについては、裏の原材料名を確認し、お砂糖ベースであればシュガーペーストであると認識できます。
またシュガーペーストが「水溶性ソフトワックス」と表現されることもありますが、ワックス成分は水に溶けない物質であるため正確な認識ではありません。
シュガーとワックスとは根本的に異なる素材であることを理解していきましょう。
シュガーリングのやり方は?
シュガーリング技術は2種類ある
シュガーリングには、「手によって行うシュガーリング」と、「スパチュラとストリップ(専用ペーパー)によって行うシュガーリング」の2通りがあります。
私たちSAJ(日本シュガーリング協会)ではそれぞれ、「ハンドテクニック」と「ストリップテクニック」と呼んでいます。
長いヘアも短いヘアも。2つの技術で全身に対応できる
「ストリップテクニック」は、長い終毛をトリムすることなしに仕上げることができる大切なテクニックです。
「ハンドテクニック」は、ブラジリアンVIOやボディの短く細いヘアを美しく除去していくことができるテクニックです。
それぞれの特徴を活かして使い分けることにより、さらに満足度の高いシュガーリングを生み出すことが可能になります。
手だけで行うシュガーリングは痛い?!
ハンドテクニックシュガーリングは、伝統的シュガーリングの流れを汲んでいます。家庭や部族間で長く親しまれてきた原始的な手法が、プロフェッショナルサロンの高いサービスレベルを満たせるのか、というとそうではありませんでした。固いシュガーペーストを擦りつけるように塗布してしまってはクライアントが激痛を感じてしまいます。
そのためサロン現場ではワックス脱毛の手法が取り入れられ、少し温めて柔らかくしたシュガーペーストをスパチュラで滑らせるように塗布し、ストリップで除去する工夫がなされ、長く密集したヘアへの痛みを軽減するモダンなシュガーリングメソッドが出来上がってきました。
「ストリップを使うのはシュガーリングではない」は間違い
欧米のシュガーリングと日本のシュガーリング
欧米諸国のサロン現場では、アンダーヘアの脱毛習慣が根付いておりヘアが短い、または捻転毛であるクライアントが多く、それらのケースではハンドテクニックのみで十分対応が可能です。
しかし、ここ日本のサロン現場では脱毛未経験、または長くカールの少ないヘアが密集して生えているクライアントが多く、塗布時の引き攣れによる痛みを抑えるためにストリップテクニックは必須なシュガーリング技術です。
ストリップテクニックが重要である理由
終毛が密集した部位の固着力に打ち勝つためにも、強い素材であるストリップを補助的に用いることは理にかなっています。
長さのあるヘアをバリカンやハサミでトリムしてからハンドテクニックシュガーリングを行うことは、衛生の観点からも理想的ではありません。
そんな時、一切トリムせずにそのまま施術を進められる点もストリップテクニックの利点です。
「ストリップを使うのはシュガーリングではなくワックスだ」「ストリップを使うのはハンドテクニックが下手だから」という情報が流されているようですが、これらの根拠を元に総合的に考えると、いかに両方のシュガーリング技術が大切であるのかをご理解いただけるはずです。
プロフェッショナルシュガーリストとして、クライアントに最高のシュガーリングをご提供するために、2通りのシュガーリング技術をマスターすることがベストです。
シュガーリングのメリット
すべてはシュガーリストの技能による
シュガーリングの大きな特徴は、サラッとしたシュガーペーストにより、肌は持って行かない感触なのにいらないヘアはしっかりと除去することができるという点です。
しかし、そんな結果を生み出すためには、シュガーリストの知識と技術が欠かせません。
根拠に基づいたシュガーリング技術があってこそ、何だか気持ちの良い、優しいのに毛が抜けている素晴らしい脱毛法が生まれるのです。
正しい技法でなければ危険です
正確な技法を身に付けていない施術者が行うシュガーリングでは、毛は抜けているけど痛みが強く、切れ毛や抜け残りだけでなく、内出血・表皮剥離や大怪我にさえなり得る脱毛法なのです。
ナチュラルだから肌に優しいのではなく、「シュガーペーストの特徴を深く理解し、扱いこなせるシュガーリストだから優しいシュガーリングがご提供できる」と理解するのが正しい認識です。
シュガーリングサロンやスクール選びの重要性
安全性の基準がない日本の脱毛業界
一般顧客の皆さまには信じられないことでしょう。
日本の脱毛業界には現在何の基準も規定もないため、素人でもサロン開業のみでなく、シュガーリングスクールまで開くことができます。
大変残念ですが、サロン現場では多くのトラブルのお声が聞こえるようになっています。
ただヘアを除去するだけで、皮膚の知識に基づいた正確な理解・技能がなければ、安全で優しいシュガーリングをご提供することはできません。
シュガーリングスクールのレベルや指導内容に差がありすぎること、シュガーリスト自身が自己の技術レベルに気が付かないことにより、さまざまなクレームが生まれてきてしまっているのが現状です。
シュガーリング技術の基準を築くSAJ
シュガーリングスクールで学んだことが十分であるのかも分からないまま、一人でサロン現場に立ち、どんどん自己流になりながらクライアントをご担当することは、どんなに危険でしょうか。
そこで私たちSAJ(日本シュガーリング協会)は、痛みや肌への悪影響を抑え安全にヘアを除去するシュガーリング技術の基準を築くことを目的に、シュガーリストの実技認定試験を開催し、合格者にはSAJシュガーリストマーク・バッチを発行しています。
施術者としては、熟練シュガーリストたちが審査を担当する試験に挑戦することは、気づきを得る機会や目標が生まれ、シュガーリストとしての成長に繋がります。
クライアントの皆さまには、シュガーリングサロン選びの明確な目印になります。
シュガーリングサロンの選び方
シュガーリングに関する知識をお持ちでないクライアントの皆さまがサロン選びをするのは、とても難しいのではないでしょうか。
インターネット上のシュガーリング情報の多くはどれも似たような内容であったり、集客目的の過大広告である場合もあります。
そこでSAJでは、シュガーリング技術の試験に合格しているSAJシュガーリストを紹介するページをご用意しました。
内出血やその他の皮膚トラブルを起こさない安全なシュガーリングをお受けいただくために、ぜひお近くのSAJシュガーリストを検索してみてください。SAJシュガーリストサーチはこちら